2018年8月29日水曜日

映画『若い女』感想覚え書き

20歳年上の有名カメラマンのミューズだったのに、別れを告げられ家を追い出されたポーラ、31歳。
家なし、仕事なし、お金なし。
あるのは彼から盗んだ猫のムチャチャと、やけっぱちでついた額の傷。
10年も彼におんぶにだっこの生活をしていたから、職歴も学歴も常識もない。
それでも働かないと自分と猫が食べていけないから、
なんとか仕事を得ると、次第に生き生きとしていく。
何度も嘘をつくから、そのたびに、「あなたはいったい何者なの?」と相手から繰り返される問いが胸に響く。
「まだ31歳」「もう31歳」。年齢って、何歳になっても、そんなものなのかもしれない。
正直、そのきっかけはちょっと安易?と思ったけれど、
それでもラスト、歩き出す彼女は、美しかった。
あなたはいったい何者なの? の問いに、自立と自由でもって答えられたときに、
ただの若い女から、大人の女として、生きていけるようになるのかもしれない。
このポスターのビジュアルと、劇中の彼女、ずいぶん違う。