2017年7月3日月曜日

わたしの持ち物はわたしに感謝してくれる?

もともと絵本の社員編集者だったので、
毎月何十冊と読んでいたけれど、
絵本って子どもに大切なことを教えるだけあって、
大人が読んでも、はっとさせられることが多い。

今回ご紹介したいのは、
『アイヌのむかしばなし ひまなこなべ』(あすなろ書房)

以下、内容紹介です。

アイヌでは万物に神が宿ると考えられ、中でもクマは特別な存在。
肉や毛皮をもたらしてくれるお礼に、感謝の気持ちをこめてにぎやかな宴を開きます。
そんなすばらしい宴の場で、クマの神は、踊りの上手な不思議な若者に出会うのですが、その若者は実は、「こなべ」(小さい鍋)の神だったのです。
クマの神は、その踊りを見たいがゆえに、何度も何度もアイヌにしとめられます。
あまり知られていないアイヌの昔話ですが、
万物を大切にするアイヌの思いがよく描かれている美しい絵本です。
(amazonより)

この小鍋の神さまは、この家で毎日とても大切にされていて、
大宴会では大きな鍋が使われ、自分の出番はないから、
こうしてヒトの姿になって、踊りをおどり、
家のひとたちに感謝の気持ちをあらわしているのだと、クマの神様に話すんですね。

それでね、考えたんです。
わたしは自分の持ち物が、わたしの感謝したいと思うくらい
大切にしているかしら、って。

長いこと使っている持ち物はあるし、お気に入りもある。
でもそれと、大切にしている、は別。
きちんと手入れをして、ありがとうの気持ちを持って

わたしはモノに向き合えているかしら?

これって、モノに限らず、部屋もそう。
すみずみまできれいに掃除したり、必要があれば修繕したり。

それができないということは、
モノも環境も、あるいはひととの関係も、
身の竹に合っていないということなのかしら、と思ったり。
お風呂掃除もまともにできないなら、
お風呂のある家じゃなくて、ない家に住んで
銭湯通いしなさいよ、みたいな(笑)。

万物に神が宿る、というのは、ほんとうにそのとおりだと思う。

見返りを期待するわけじゃないけれど、
感謝してもらえるくらい、身の回りのすべてを大切にしたいと
あらためて気づかせてくれる
素晴らしい絵本なのでした。

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