2017年4月11日火曜日

ジヴェルニーで

原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』を読んだのは
2〜3年前だったか。
以来、モネの家があるというジヴェルニーに
機会があれば行ってみたい、と思うように。

ジヴェルニーには鉄道駅がなく
最寄り駅のヴェルノンまでさえも
パリから電車で小1時間。
イリスさんに会う予定や、あれこれを整理すると
ジヴェルニーに夜着いて、翌日の午前中に見学し
午後早い時間にパリに戻る予定を立てた。

ところが、だ。
ジヴェルニーと最寄りのヴェルノン間はシャトルバスが
走っているのだけれど、
通常、その日の早いうちに着いて、見学し
夕方には帰って行くひとが多いのだろう。
このシャトルバスが、わたしがヴェルノンに着く時間には
もう走っていない。
ジヴェルニーからの帰りのバスはあるのに、
行きのバスがもうないのだ。

困った。タクシーを利用するという手もあるけれど
ネットで検索したところ、タクシーはほぼないらしい。
泊まる予定のB&Bに急ぎメールしたが、
パリにいるあいだに連絡が取れず、ヴェルノンに着いてしまった。

B&Bに電話するか、でもほら、国際電話扱いになるでしょう?
高いし、ケチケチしているのにもったいないなぁ、と思ったときに
むこうにシャトルバスが見えた。
おっ! と走って行き、ジヴェルニーに行きたいと
拙いフランス語と、フランス語よりはできる英語で言ってみる。
先方は英語がわからないようで、
フランス語でなにやら返事をしてくれるのだけれど、
むこうの言っていることが理解できない。

けっきょく時刻表を渡されて、
そのバスは去ってしまった。

むむむ。

時刻表を見ると、帰りのバスがまた戻ってくる模様。
行きのバスはやっぱりないけれど、
つぎのバスの時刻の欄を指差していたから、
このバスに連れて行ってもらえ、ということか、と勝手に理解。

待つこと10分ほど。

来たー。

ひとがぞくぞくとおりて、空になったバスを点検している運転手に
ジヴェルニーに行きたいのだと
またまた拙いフランス語で主張する。
さっき近くで見ていたアフリカ系の女性が
なぜか加勢してくれて、
連れて行ってあげなさいよ、的なことを言ってくれている。ように聞こえた。

けっきょくこの運転手さん、
もう仕方ないなぁ、という感じで
わたしひとりをバスに乗せて、ジヴェルニーに連れて行ってくれたのだった。

バスからは美しい花が咲き誇る村のようすがよく見える。
きれいですね、いい街ですね、とフランス語で言うと
気を良くしたのか、いろいろと説明してくれた。フランス語で。

フランス語、まだちーっともできないけれど、
習いはじめていて、良かった。
えらいぞ、と過去のわたしをほめてあげたい気持ちになった。

シャトルバスで15分ほどで、無事にジヴェルニーの村に到着。

予約したB&Bはクロード・モネ通り沿いにあり、
モネの家からも近い。

19時頃だったけれど、まだまだじゅうぶんに明るく
暑いくらいなので、
ぶらぶらと村を散策してこの日は暮れたのだった。

ジヴェルニー村は、のどかでいいところでした。
冬は何もない、とB&Bのひとは話していましたが。
あ、そうそう。春から夏しか営業していないので
あとの半年は、バカンスなんですって。
半年働いて、半年休む。けっこううらやましい暮らしかも。


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